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 本日は、コチラの記事をご紹介。

===============<熊野新聞2011年1月29日>===============

試写会で絶賛の声
中上作品映画『軽蔑』6月公開 5月下旬、新宮で先行上映会

 新宮市出身の作家、中上健次原作の映画『軽蔑(けいべつ)』の試写会が24日、東京都であった。
ダブル主演の高良(こうら)健吾さんと鈴木杏さんら俳優のほか、
新宮市観光協会専務理事の森本祐司さんら関係者が出席した。

森本さんは「皆さん大絶賛でした。感動しました」と話した。
映画は6月4日(土)全国ロードショー。5月下旬には新宮市で先行上映会が計画されている。

(中略)

 新宮で約3週間ロケが行われ、舞台の8割近くが新宮。
那智勝浦町、太地町、田辺市、熊野市などでも撮影している。
森本さんは「映像の力は波及効果が高い。観光振興、経済活性化のためには
早く映画撮影の誘致や撮影を支援するフィルム・コミッションを立ち上げなければならない
と強く感じました」と話していた。
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森本氏曰く、
観光振興、経済活性化のためにはフィルム・コミッションを立ち上げなければならない
とある。


あれ?和歌山県にもフィルムコミッションってあったよね?
この件について、関与してないのか?

ということで、わかやまフィルムコミッション・ロケーション実績を調べてみる・・・


トップページ >ロケーション実績
全登録データで検索しました。
10件中 1-10件を表示

白良浜    「映画「ふたたび swing me again」」       
紀州鉄道    「ロックバンド「UNDER GRAPH」夏影PV」      
熊野本宮大社    「TBS「神社仏閣walker」」        その他
串本大橋    「HONDA公式サイト「ニッポンの旅人(WEB)」」      
磯ノ浦ビーチ    「水戸黄門」      
那智勝浦漁港    「産地直送!おさかな天国inKANSAI」      
友ヶ島砲台跡    「映画「彼岸島」」       
友ヶ島砲台跡    「SMAPがんばりますっ!! CYAN TO SHI NAI TO NE!スペシャル」    
三郷八幡神社    「映画「ランニングフォーエバー」」      
湯浅醤油(有)    「どっちの料理ショー」      
10件中 1-10件を表示





ロケーション実績、全10件って(笑)
2006年2月に発足して、たったこれだけですか??





つーか、サイトの更新が滞ってる?
それとも活動自体が滞ってる?

これじゃあ、映画『軽蔑』に関わっているかどうか、判断つかず。



********
和歌山県が、観光振興の戦略として
フィルムコミッションを活用するのは大いにアリ
だと思っている。

他県での成功例を見てみると・・・
東京都の近県である、茨城・群馬・静岡(伊豆)が
国内外の映画・ドラマのロケ地として賑わっている。
(もちろん、各フィルムコミッションの活躍による所が大きい。)

これを関西に置き換えれば、
大都市・大阪の隣県である和歌山には、
大きな可能性を感じざるを得ない。



********
そもそも、フィルムコミッションを活用することのメリットとは?


<フィルム・コミッションを組織するメリット>
(1)当該地域の情報発信のルートが増えます。
(2)撮影隊が支払う「直接的経済効果」が見込まれます。
(3)作品(映画・ドラマ)を通じて観光客が増え、観光客が支払う「間接的経済効果」が見込まれます。
(4)映像制作に関わることを通じて、地域文化の創造や向上につながります。

全国フィルム・コミッション連絡協議会

これらのメリットが
すぐさま実感できるのであれば判りやすいのだが、
いかんせんそうではない。


ロケ誘致による観光振興は、さまざまな実績を積み重ねた
上に実現する経年的効果である。

(運営主体の相違点からみるフィルム・コミッションに関する研究)

すぐさま地元の利益に繋がらない・利益が見えにくいことから、
フィルムコミッションの活動は、
地元の理解と支持がなければ、なかなか難しい。



********
フィルムコミッション専門家でもないので、堅苦しい話はコレくらいにして、
各地のフィルムコミッションと仕事をした自分の経験から
感じたことを語ってみたい。


まず、一番多かったのは、
「フィルムコミッション」を掲げているが、実態はただの観光課
というもの。


こいつら「フィルムコミッションの理念」とか
全然理解してねーだろってのが非常に多かった。

こういう場合は、全く役に立たないので、ソッコー無視。




一番酷かったのが、
とある北の大地の西側にあるフィルムコミッション。

もちろん実態は「観光課」。


3月末に電話&ロケハンで担当者とやりとりし、
4月上旬ついに本番。




で、現地に乗り込んでみると・・・




その担当者曰く、

「人事異動で部署が変わったので、私はもう関係ありません!」



って、えぇぇ~。




で、何も話が通っていない新しい担当者がお目見え。

これぞ、
THE・お役所仕事。




ただ、物凄く仕事が出来るフィルムコミッションもたくさん見てきた。
コチラが恐縮するくらいに手伝ってくださった。
なぜそこまでして働くのか?

彼ら彼女らを支えていたものは、
「郷土への無償の愛」(と「ちょっぴりのミーハー心」)だったと思う。

もちろん、各自様々な思惑があるでしょうが、
「郷土への無償の愛」が無ければ、やっていけない仕事だと思います。
(映像業界のお仕事ってお役所仕事とは対極ですからね)

しかし、「郷土への無償の愛」のみを頼りに
フィルムコミッションを運営するわけには行きません。

地方財政が厳しい中、フィルムコミッションも例外ではないそうです。




********
日本のフィルムコミッションは、以前と比べると活況を呈しているが、
実態はまだまだ、といったところのようだ。

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<映画「バベル」監督インタビュー2007年3月7日>
■(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)
5時半に築地のマーケットに行ってみたり、高速道路で渋滞を作ったのは朝の7時でした。
本当に、1分くらい、渋滞を作っただけなんですけれども、20分後には警察に追われる身になってしまいました。
警察は、撮影を早く止めろと言ってきたわけですけれども、それが東京での撮影のはじまりでした。

ですから、許可をどこに申請してもおりないという問題がありまして、
しかし、徐々に、私は、そういうことにいちいち怒っていても大変なので、楽しむようになっていきました。

(中略)

日本にフィルムコミッションというようなところがあるのかどうか、もしかすると機関がないのかもしれません。
このような海外映画のプロダクションを手伝ってくださって、そして、許可を与えてくだされば、
どんなに私たちの仕事がやりやすくなるか、美しい国ですから、映画作りを手伝ってくださいますと、
収入にもなりますので、僕の方からお願いしたいと思います。

(WERDE OFFICE
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日本にはフィルムコミッションがあるのですか?と、皮肉を言われる始末。


「銀座でカーチェイスを!」と、
石原都知事が率先して東京ロケーションボックスを開設したのが2001年。
現状はさほど変わっていない模様。


ちなみに、ハリウッド映画人の間で、
「日本でロケは成立しない!」と言われるキッカケとなったのが、
「ブラック・レイン」の撮影だ。

=======<運営主体の相違点からみるフィルム・コミッションに関する研究>=======

日本における FC 設立の一要因として、ハリウッド映画「BLACK RAIN」の
大阪での撮影が困難を極めたことが挙げられる。
日本自ら、「日本での撮影は難しい」と世界の映画業界に広めてしまった。

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わかやまフィルムコミッションの活動の実態はわかりませんでしたが、
少なくとも、「和歌山での撮影は難しい」と国内外の映画業界に
広めない位には頑張って欲しいものです。







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